補助金情報コーナー

マル井経営企画は補助金獲得に向けた豊富なコンサル実績を有しています

マル井経営企画の補助l金申請アドバイザーチーム
・ 公認会計士 前田達宏(認定支援機関)
・ 中小企業診断士 井内堅太郎
・ 大手商社OB・補助金獲得経営者

●「ものづくり・商業・サービス革新補助金」の実績
種類採択番号地区会社名事業名補助金額
平成25年度補正2513213270東京都株式会社白金トレーディング簡単な操作で魚屋さんと漁師さんを元気にする新システム(産地直送ECサイト)の構築700万円
平成25年度補正2513212642東京都日本アプリ開発株式会社 自動車教習所の顧客管理を向上させる新送迎バス予約システム開発及び運用サポート事業1,000万円
平成26年度補正2636210161四国U自動車教習所教習所業界の閑散の平準化を可能とする日本初のシステムの開発700万円
平成26年度補正2607110244 福島県藤カマンダーソフト株式会社 カーナビを使ったタクシー乗務員の勤怠管理・給料計算システムの開発700万円
平成26年度補正2613111022東京都日本アプリ開発株式会社プッシュ通知機能と情報漏洩防止機能を付加した新「業務代行ソフト」の開発1000万円

<創業補助金獲得実績>
●日本E合同会社:「自動車用鉛バッテリーの普及型再生器の開発」事業(H25年度創業補助金(海外市場開拓 型・700万円)を獲得
●TMジャパン合同会社:超解像技術を使ったプリント基板検査装置の事業化(創業支援・補助金の獲得(埼玉 県)、200万円獲得
● 起業家Tさん:「地元密着型 花ビジネス人材育成を念頭に置いたアレンジメント教室の運営」 (創業支  援・補助金の獲得(埼玉県)、200万円獲得
● ㈱ I –design:「世界一健康的な日本食文化をパッケージ化した飲食店. の世界展開」(創業支援・補助金 の獲得(埼玉県)、700万円獲得

「ものづくり補助金」 公募締め切りは4月13日
 ものづくり・商業・サービス新展開尾支援補助金(ものづくり補助金)とは、国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセス改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援することを目的とした補助金です(昨年度は平成26年度補正「ものづくり・商業・サービス革新補助金」、平成25年度補正「中小企業・小規模事業者 ものづくり・商業・サービス革新事業」という名称で実施)。
 今年度は、「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」という名称で平成28年2月5日から4月13日(水)締め切り、6月中をめどに採択を行う予定になっています。
【革新的サービス】、【ものづくり技術】の2つの類型があり、それぞれについて
「1.一般型」、「2.小規模型」、「3.高度生産性向上型」があります。

【革新的サービス】 【ものづくり技術】
一般型・補助上限額:1,000万円
・補助率:2/3以内
・設備投資が必要
・補助対象経費:機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費
小規模型・補助上限額:500万円
・補助率:2/3以内
・設備投資可能(必須ではない)
・補助対象経費:機械装置費、原材料費、技術導入費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費、運搬費、専門家経費、クラウド利用費
高度生産性向上型 (大規模な設備投資が必要な企業が対象)・補助上限額:3,000万円
・補助率:2/3以内
・設備投資が必要
・補助対象経費:機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費
詳細は公募要項参照:
URL:http:// www.tokyochuokai.or.jp/images/tochu/27mono/27hosei

●ここでいう「ものづくり技術」とは、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」によって指定された次の12の分野での新事業の創出を言う。
(1)デザイン開発に係る技術
(2)情報処理に係る技術
(3)精密加工に係る技術
(4)製造環境に係る技術
(5)接合・実装に係る技術
(6)立体造形に係る技術
(7)表面処理に係る技術
(8)機械制御に係る技術
(9)複合・新機能材料に係る技術
(10)材料製造プロセスに係る技術
(11)バイオに係る技術
(12)測定計測に係る技術
●革新的サービスとは
注目すべきは、「ものづくり」という概念から遠かった、中小サービス事業者にも、ものづくり補助金の申請が可能になっていること。
具体的な内容については、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」(http://www.meti.go.jp/press/2014/02/20150204001/20150204001.html)で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービスの提供プロセスの改善で、3から5年計画で「付加価値額」年率3%の向上を達成できる計画であることとなっている。
付加価値をの向上させるための具体策について、ガイドラインでは次のようにまとめている。
1.中小サービス業者が直面している問題
サービス業は、現場でサービスを提供する「人」が付加価値の源泉です。従業員の質が低ければ経営にとって大きなマイナスとなるため、雇用を維持する人件費や人を育てる教育費を安易に削減することは慎重な検討を要します。
また、人口減少社会の下で人手不足が顕在化する中、良い人材を確保し、スキルを身につけて定着してもらうためには、相応の賃金とやりがいある職場が必要です。つまり、売上げをしっかり確保し、賃金も利益も確保する経営を目指す必要があります。
このためには、従業員1人あたり(もしくは時間あたり)の生産性を上げることが必要です。すなわち、「労働生産性」の向上です。
2.労働生産性を上げるにはどうしたら良いか。
労働生産性とは「1人当たりの付加価値額」のことで、以下のように計算します。
1人当たり付加価値額 =営業利益+人件費+減価償却費÷従業員数(もしくは労働時間数)
生産性を上げるということは、以下のように考えられます。
生産性向上 = 付加価値の向上、革新ビジネスの創出効率の向上 ÷効率の向上
この式で示されるように、労働生産性を向上するためには大きく分けて、2つの方向性が存在します。
例えば売上げ向上を目指す場合、「客単価を上げる」、「客数を増やす(新規顧客を増やす、リピーターを増やす)」、「商品回転率、客席回転率を上げる」といったことが必要になってきます。それらを実現するための手法には、以下のようなものが考えられます。
付加価値の向上・・・提供するサービスの価値を増大させる(売上げ向上)
(1)新規顧客層への展開
(2)商圏の拡大
(3)独自性・独創性の発揮
(4)ブランド力の強化
(5)顧客満足度の向上
(6)価値や品質の見える化
(7)機能分化・連携
(8)IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)
●効率の向上・・・・・時間や工程の短縮(コスト削減)
(9)サービス提供プロセスの改善
(10)IT利活用(効率化に繋げるための利活用)

1.付加価値の向上1)誰に(1)新規顧客層への展開
(2)商圏の拡大
2)何を(3)独自性・独創性の発揮
(4)ブランド力の強化
(5)顧客満足度の向上
(6)価値や品質の見える化
3)どうやって(7)機能分化・連携
(8)IT 利活用(付加価値向上に繋がる利活用)
2.効率の向上(9)サービス提供プロセスの改善
(10)IT利活用(効率の向上に繋がる活用)

●モノづくり補助金獲得のための条件・アドバイス
<技術>
 新製品・新技術・新サービスの革新的な開発か。技術的課題と目標達成度の考え方は明確か。技術的課題の解決方法は明確かつだ、優位性があるか。実施体制、技術的能力があるか。
<事業化>
 人材、事務処理能力、財務状況はよいか。ニーズ・ユーザー設定・市場規模は適切か。価格・性能の優位性、収益性は。事業化遂行方法、スケジュールは妥当か。費用対効果は高いか。
<社会的な意義・その他>
 他社のモデルになるか。地域経済の雇用につながるか。金融機関からの資金調達可能か。経営資源の蓄積につながるか。中小会計要領に沿っているか。
 これらに沿った申請書類を作らなければ、採択される可能性は低いといえます。たとえば、「技術的課題と目標達成度の考え方は明確か」という項目でも、審査するほうは何を問いかけているのか、求めているのかを理解しておくことが必要です。
 3~5年計画で「付加価値額」年率3%の向上という要件を満たすためには、売上の増加だけでは困難、人件費の増加が必要です。つまり雇用の増加です。
実現性の高い計画を作るためには、
1.5年先の自社の目指す姿(売上、会社の規模)をイメージする。
(ここで「付加価値額」年率3%、及び「経常利益」年率1%の向上を入れる)
2.そこに至る道筋(技術的な課題、開発テーマ、新たな顧客)を考える。
3.不足する設備、開発費などを明確にする
4.不足するものに対し、補助金を獲得し達成する
このようなストーリーがあれば、採択される確率の高い申請書になります。
 ●申請する前にチェック
・中小企業が申請できる(大企業は申請付加。また大企業が役員や株主の大半を占める子会社なども対象外
・医療法人、NPOなどは申請できない
・中小ものづくり高度化法による、特定ものづくり基盤技術のいずれに該当するか確認
●書き方のポイント
・わかりやすく書く
・専門用語には解説を入れる
・具体的な数値を入れる
・写真やグラフ、図面などでわかりやすく
●申請する際のポイント
・公募要領を最低3回は読み込むこと
 不明点は公募要領を確認すること
・もっと革新的にできないか、創意工夫を盛り込めないか
・無茶な売上目標や開発目標になっていないか
・提出前に漏れがないか再度確認
●採択された後のポイント
・期限管理をしっかりと(書類の提出期限を守らないと失効します)
・書類を確実に準備保存すること。
 たとえば、機械装置などの購入の場合、見積依頼書・見積書・相見積書・発注書・発注
 請書・契約書・納品書・検収確認書類・請求書・銀行通帳の写し・口座振込控・領収書、設置前・設置工事 中・設置後の写真、カタログ類などが必要書類です。

マル井経営企画主催の「ネットde起業塾」特別講座(1)
       4月公募予定「創業補助金」の内容と申請書の書き方
 28年度予算での“創業補助金”が4月に公募されることが確実になっています。これまで申請できなかった人、これから事業をスタートさせたいと考えている方は今から“創業補助金”を申請すべく準備をしておくことを勧めます。特に今回は、昨年度から始まった「産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村内の創業で、創業条件を満たした創業」であることが必要になりますので、注意が必要です。
さらに今回の補助金の予算総額は4億円と少なく、これまでと違って競争が激しくなると予想されますので、早めの検討、万全を期した準備が必要です。
●補助対象者と補助の内容(前回の場合)
・新規事業の立ち上げや新たに起業する場合
対象経費の2/3(100~200万円まで)
・代表者の辞任等で後継者になり、新分野に取り組みたい場合
対象経費の2/3 (100~500万円まで)
・海外市場獲得を念頭とした事業で起業する場合
対象経費の2/3(100~700万円まで
※補助金額が100万円に満たない場合は対象外です。
●.補助対象経費(同)
・人件費
・開業・会社設立に伴う司法書士、行政書士等に支払う申請資料作成委託費用
・店舗等借入費用
・工事費用
・試供品、サンプル品の作成にかかる経費
・特許出願費用
・Webサイト制作などの外部委託費
・専門家に支払う謝金
・事業展開に関係する旅費( タクシー、ガソリン、高速代等除く )
・販路開拓費 など
●.受給のポイント(同)
補助金の審査通過ポイント
1.事業に独創性がある
2.事業に実現可能性が見込める
3.事業での収益の根拠が明確である
4.事業の継続性が見込める
5.資金調達が充分見込める
6.“経営革新等支援機関”によるサポートが十分なされている
(経営革新等支援機関に加え金融機関の証明及び産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村内でない=注=と申請出来ません)
注:市区町村が創業支援事業者と連携して策定する「創業支援事業計画」の認定市区町村は、平成28年1月現在、全国で889件(1,000市区町村) が認定されています。詳しくは中小企業庁のホームページ参照。当該市区町村の商工会などで認定をもらう必要がある)
●.補助金申請の対象となるかの基準(同)
・法人の新規立上げ (○)
・既に起業していても起業から2年以内の開業、設立(○)
・法人でなく個人事業(税務署への届を出している)として立ち上げ(○)
・個人事業(同)が別事業の法人立上げ(○)
・個人開業(○) 
・法人内での別事業の立ち上げ(×)
・「創業支援事業計画」の認定市区町村外の市区町村での立ち上げ(×)

●補助金申請書の「事業計画」の書き方ポイント
 創業補助金の申請書のうち、書面審査の対象となる主たる部分が事業計画です。従って創業補助金の審査とは、事業計画の審査であるとも言えます。
1.創業補助金申請書の記述項目について
平成25年度補正予算創業補助金(平成26年実施)の申請書式のうち、事業計画についての記述項目は以下の通りでした。
1)事業の具体的な内容
2)本事業の動機・きっかけ及び将来の展望
3)本事業の知識、経験、人脈、熱意
4)本事業全体に係る資金計画
5)事業スケジュール
6)売上・利益等の計画
1)~3)と5)は、文書(画像、図表も含む)での自由書式での記入、
4)と6)は、数値での記入となっています。
これ以外に補足説明として、A4で10ページまでの資料を添付することができます。
2.創業補助金の審査の着眼点について
募集要項には、審査の着眼点として以下の項目があげられており、各着眼点についての詳しい説明も記載されています。
1)事業の独創性
2)事業の実現可能性
3)事業の収益性
4)事業の継続性
5)資金調達の見込み
6)認定支援機関による支援の確実性
7)創業の動機・熱意
注意:
・申請書の作成前に、オリジナルの事業計画が補助金の要件を満たすことを確認。
・事業補助期間中に必要となる経費が、補助対象経費となるのかどうかを確認。
・事業が補助金の要件を満たさない場合や経費が補助対象経費とはならない場合には、補助金の申請自体が無駄になるので、この点は非常に重要です。不明な点は、補助金の事務局あるいは補助金について詳しい認定支援機関に確認しましょう。
1)オリジナルの事業計画書からマル井経営企画オリジナルの「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」(契約者には無料配布)に該当する箇所をピックアップします。
2)ピックアップした箇所を、創業補助金申請書のどの項目に記述すればよいのかを考え、創業補助金申請書の各項目の構成を検討します。
3)1)で、オリジナルの事業計画書に「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」に該当する箇所が無い場合は、2)の構成を検討しつつ、追加の記述を行います。
4)創業補助金申請書全体の流れも確認しましょう。細部ばかり気を取られると、非常に読みづらいものになっていたり、同じ内容を違う場所に何度も書いてしまうこともあります。
5)書き終えたら「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」に基づきチェックし、不足部分は書き足します。
6)オリジナルの事業計画書のうち、売上、原価および販売管理費の詳細等は、補足資料として添付することをお奨めします。他にも、商品やサービスの説明を補完する資料、画像などがあれば、補足資料として添付します。

       マル井経営企画主催の「ネットde起業塾」特別講座(2)
           「創業者の為の事業計画書作成」
Ⅰ、事業計画は海図と羅針盤。安全な経営に不可欠
 事業計画書は、船にたとえるならば、航海する場合の海図と羅針盤に当たります。海図は、船がどういうルートをたどって、いつ、どこの港に着くのかを明示するものだし、羅針盤はそうした方向に間違いなく船を進める道具です。海図と羅針盤によって、船はムダのない安全な航海ができるように、事業計画も当該事業を誰が、どこで、何を、いつまでに、どのような方法でやるのかの具体的な道筋を示し、無駄のない安全な経営を行うために必要不可欠なものです。
 事業計画に織り込む内容は、これまで当書で学んだ事項を、そのまま一つの計画書に落とし込めば良いわけですが、そのためには経営やマーケティング、労務管理、財務などの幅広い知識が必要です。しかも事業計画を形成しているそれぞれの要素が整合性を持って矛盾なく組み立てられていることが必要です。
 事業計画を作ることは、経営の机上演習やシミュレーションをしていることと同じと言えますので、作成者にとっては、計画作成自体が経営能力を養う手段になります。また、計画作成の過程で事業遂行のために大事な事項を見落としているのに気付いたり、売上予想に対して生産計画が甘かったり、人員計画との整合性がとれていないなどの矛盾点や新たな問題点が発見されることが多々あり、事業構想の完璧性、緻密性を高めることができます。
 この他にも作成者がやりたい事業の概要がコンパクトにまとめられ、明確になりますので、次のような役割を果たします。
①銀行や公庫に開業資金の借り入れを申し込むとき、借入申込書などの作成に役立てたり、参考資料として添付する。保証人の懇請をするときの資料としても役立つ。
②国や自治体などの公的な補助金・助成金などを受ける場合、審査資料として必要不可欠な提出資料として要求される。
③投資家やベンチャーキャピタル(VC)からの出資を求めたり、個人に開業資金の借入れを申し入れたりするときの資料として提示する。
④仕入れ先、外注先、その他協力してもらうパートナーや人材等に事業構想を語り、開業に向けて協力を求めるときの説明資料になる。
このためには、事業計画の内容は自分だけが分かるものではだめで、利害関係者に対して客観的に正しく総合判断してもらえるような次のような内容が求められます。
①実現可能であること。
②内容が具体的であること。
③見込みや条件は可能な限り数字で示し、企業名、人名、商品名等を明示する。
④図表やグラフを多用して説得力を持たせる。
⑤タイムスケジュールを伴うこと。
⑥販売計画、利益計画、資金計画、返済計画、人員計画の整合性がとれている。

                Ⅱ、事業計画に盛り込む内容
 事業計画は、具体的には30ページ程度のものが多く,構成としては何を事業として、いつまでに何を達成し,そのために資金をどう使うのかといった構成になっています。
事業計画に盛り込む内容としては次のようなものが挙げられます。:
1,経歴書
①創業者の履歴書、経歴書
②職歴には、特に開業しようとする事業内容と関連ある部分を明示。
2,事業の概要
取扱商品、製品及び技術の収益力
①ベンチャー企業は損益分岐点(コストと収入が一致する売上高の規模)が低く、少ない資金投入で、一挙に利益が出る事業が適している。必然的に高付加価値製品や消費財であれば差別化されたプレミアム商品となる。
②製品・商品説明のポイント
 (1)市場に存在する「満たされていない需要」と製・商品との関連性の強さ
 (2)差別化により市場を独占し強固な参入障壁を築ける独自性の強さ
 (3)現行商品にどんな問題点があり、それを何により、どのように解決するのかという説明が必要。
③優れた技術を持っている会社の場合、いろいろな商品に応用可能というバラ色の説明だけに終わっているものが多い。しかし、基本技術と最終商品開発の隔たりは大きいのが普通。マーケット分析に基づいて具体的な消費者を想定し、例えばこの技術を使ってある商品を開発する場合、(1)どんな問題点が残されており(2)そのための課題、解決までにかかる期間や費用などの技術、開発リスク-などが明示されていることも投資家に信頼される。
3,競合製品/競合会社/参入障壁
①製品、技術について競合製品や代替技術があるか
②それらと比較しての長短はどうか
③特許の取得状況
④ベンチャー企業が成功した後に予想される新規参入者への対抗手段
4,市場の状況
 ①市場の大きさ
②ライバルの動向
③市場に参入、撤退する場合の障壁の高低
④取扱商品・製品の流通経路の特徴
⑤取扱商品・製品の価格変動と需要の関係(需要の価格弾力性)
5,マーケティング・販売方法(価格戦略、流通・販売戦略、対価の回収)
①販売に関する5W1H+何を武器に売るのか(差別化の要素)を織り込む。
②数字的なものは損益計画に織り込む。
概要:市場環境と顧客ターゲット層を踏まえた価格設定と、その経営戦略的な意味等について記載します。
<記載内容>:
●顧客ターゲット層に受け入れられる価格設定と原価を考慮した妥当性について
●価格設定の経営戦略的な意味について
●商品・サービス別、販売チャネル別販売計画
●広告宣伝施策と費用対効果およびターゲット顧客層別アプローチ方法
●回収条件、営業時間など
●「なぜ売れるのか?」という観点からの客観的説明
6.経営計画(仕入・生産計画、人員・組織計画、成長・拡大計画、事業スケジュール、協力者・支援者)
概要:販売戦略を実現する為の、設備、生産、人員、組織等について記載します。
<記載内容>:
●何をどこからいつ仕入れるか、必要な商品を安定的・計画的に仕入れることが可能か
●仕入れに関する支払条件
●必要な設備とその準備に必要な金額
●必要な人員のバックグラウンド、必要な知識や経験
●組織体制と必要人員、募集方法、雇用形態、待遇条件
●事業を軌道に乗せるまでのスケジュール、行動計画(時系列で図表などで表示)
●出資者、借入先、顧客、仕入先、技術・ノウハウ提供元、顧問の協力者、人的ナットワーク
7.資金計画・資金調達
概要:起業当初に必要な初期費用、経営に必要な資金を算出した上で、必要資金の調達方法について記載します。
<記載内容>:
●起業当初に必要な以下の費用の洗い出し
●設備、備品、店舗・事務所などの借入費用、内装工事費、仕入れ費用・広告費、その他の諸経費等
●必要資金の調達方法(自己資金、知人・親戚などからの出資・借入、金融機関からの借入)
8.損益・収支計画
概要:商品・事業別に月別の売上数量、売上高、粗利益、販売管理費等を予測し、記載します。
<記載内容>:
●販売戦略、経営計画に基づき、商品(サービス)・事業別月別に各数値を予測する。
●予測に当たっては前提条件を明確にして行い、実績との対比時に原因が判るようにしておく。
●売上数量、売上高、原価、粗利益、人件費、店舗事務所経費、減価償却費、その他経費など
●3~5年ぐらいの損益・収支計画書を作成する。
●消費税、支払条件・回収条件を考慮の上で、資金繰りも確認する。
9.リスクと解決策
概要:事業を行う上で問題となり得る点やリスクの可能性、その解決方法を記載します。
<記載内容>:
●計画を遂行する上で想定される課題の洗い出し
●課題が事業に与える影響の大きさ、発生頻度を検討
●事前に想定すべき課題に優先順位をつけ、その解決方法を記載する

             事業計画書作成にあたっての注意事項
1、事業計画書を作成する前に、自分自身を分析し、自分のやりたいことなりたい自分に対して、できること、欠けている点等を整理しておくことが必要です。
整理の観点は以下の通りです。
①「自分の将来目標」や「実現したい夢」を明確にする。
・どのような会社、事業をしたいのか
・社会においてどのような評価を得たいのか
・身に付けたい能力は何か
・築きたい財産、得たい収入はどの位か
②ライフプランを描く
「人生」の各ステージで、夢や目標をどのように実現しているのかスケジュールに落とし込む。
③自己分析
自分自身を客観的に分析し、自分の性格特性、資質、志向性を把握する。
・コミュニケーション力
・論理的思考力
・意欲・使命感
・スキル・資格
・経験
・人的ネットワーク
・自己資金

2、事業計画書の書式
ネットで検索すると多くの事業計画書書式がダウンロードできます。
事業計画書の書式はご自身が書きやすいもので構いませんが、「事業計画書内容」に列挙した必要項目を漏らさずに記載することができ、様々な目的に転用し易いものをお奨めします。
その為には、最初からパワーポイントなどビジュアルな表現を主としたものを作成するよりも、先ずは、ワード、エクセルなど文字や数字主体の事業計画書フォーマットを使い、シンプルに作成する方が良い。
事業計画書を書く時には、書式に従って内容を埋めて行くのではなく、自分の思い描く事業を自分自身の言葉で表現することを意識し、かつ誰でもわかるように平易な表現で丁寧に書くことが大切です。書き終えた後も、第三者が読むことを意識して何度も見直すことも大切です。
できれば、創業支援の経験を有する専門家にチェックして貰うのが良い。
自分自身や知人だけのチェックでは、主観的な評価が中心になりがちですので、客観的な評価と的確なアドバイスが貰える専門家による支援を受けることをお奨めします。
事業計画書フォーマットとしては、売上、費用、損益等の数値計画については、月別に展開して記載できるものが良い。
 特に事業の開始時に、軌道に乗り利益が確保できるようになるまでの間に、どのような過程を想定しているのかを示す為には、年間計画だけでは表現することはできません。また、事業計画を見直す際にも、月別に展開されていれば簡単に修正することができます。

3、パワーポイントにまとめると強力な武器に
最終的には事業計画は図や写真、動画、グラフ等を使ってパワーポイントにまとめると、投資家や金融機関等に対してプレゼンテーションする時の強力な武器になります。
起業する場合だけでなく、会社を起こした後も、会社の現状や課題等を説明する資料としても、必要な時に随時見直し、活用していくことを薦めます。

                 資金調達への活用
 「1.事業計画書の重要性、目的」に記述しましたが、
オリジナルの事業計画書を作成する重要な目的の一つに、資金調達があります。
 創業者向けの融資として、日本政策金融公庫の創業融資や自治体のあっせん制度による融資がありますが、いずれにも所定の様式があります。
 例えば、日本政策金融公庫に創業融資を申込む際には「創業計画書」という様式に記入して提出することになっています。
この創業計画書の書式は、日本政策金融公庫のWEB(借入申込書等ダウンロード)
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html から入手できます。
 内容は、以下の通り、A4版2ページの簡単なものです。日本政策金融公庫借入申込書書式 https://www.jfc.go.jp/n/service/zip/kaigyou00_140203.zip
また、業種別の記入例もいくつか掲載されています。
これを見て、融資の申込は以外と簡単だと思われる方もいるようですがそれは大きな間違いです。
 創業者が金融機関から融資を得るためには、事業内容、事業の継続性、収益性などをきちんと伝える必要がありますが、所定の書式の記述内容だけではとても伝えることはできません。
 確かに、ここ数年、国の創業に対する支援方針が強くなってきていますので、従来に比べて日本政策金融公庫から借り易くなっている面もあるようですが、希望に近い融資額を得るためには、事業内容を正しく伝えて理解して貰う必要があります。
 その為には、所定の書式とは別に、自分で作成した詳細な事業計画書を添付資料として提出することが必須です。
 事業内容が不明のまま融資を実行することはあり得ません。綿密に練った事業計画書は融資審査のためにはプラスになります。
 オリジナルの事業計画書から必要事項を所定の書式に転記した上で、事業計画書も添付することで、金融機関の担当者からみると、必要最低限の情報を所定の書式から得た上で、審査のための補足情報をオリジナルの事業計画書を得ることもできます。上司や審査部門への申請にとり、強力なツールとなります。

                 補助金申請書への活用
 創業補助金の申請書のうち、書面審査の対象となる主たる部分が事業計画です。
従って創業補助金の審査とは、事業計画の審査であるとも言えます。
(もちろん、補助対象となる事業者の要件を満たすことが必要となります。)
1.創業補助金申請書の記述項目について
平成25年度補正予算創業補助金(平成26年実施)の申請書式のうち、事業計画についての記述項目は以下の通りでした。
1)事業の具体的な内容
2)本事業の動機・きっかけ及び将来の展望
3)本事業の知識、経験、人脈、熱意
4)本事業全体に係る資金計画
5)事業スケジュール
6)売上・利益等の計画
2.創業補助金の審査の着眼点について
募集要項には、審査の着眼点として以下の項目があげられており、
 また、各着眼点についての詳しい説明も記載されています。
1)事業の独創性
2)事業の実現可能性
3)事業の収益性
4)事業の継続性
5)資金調達の見込み
6)認定支援機関による支援の確実性
7)創業の動機・熱意
マル井経営企画では、この審査の着眼点を含む申請書に記述する必要がある項目について、整理の上で「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」を作っています。
3.創業補助金申請書へ展開方法
オリジナルの事業計画書を基に、創業補助金申請書へ展開してゆく方法は以下の通りで
す。
申請書の作成前に、オリジナルの事業計画が補助金の要件を満たすことを確認しましょ
う。また、事業補助期間中に必要となる経費が、補助対象経費となるのかどうかを確認しましょう。事業が補助金の要件を満たさない場合や経費が補助対象経費とはならない場合には、補助金の申請自体が無駄になりますので、この点は非常に重要です。不明な点は、補助金の事務局あるいは補助金について詳しい認定支援機関に確認しましょう。
1)オリジナルの事業計画書から「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」に該当する箇所をピックアップします。
2)ピックアップした箇所を、創業補助金申請書のどの項目に記述すればよいのかを考えつつ、創業補助金申請書の各項目の構成を検討します。
3)1)で、オリジナルの事業計画書に「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」に該当する箇所が無い場合は、2)の構成を検討しつつ、追加の記述を行います。
4)創業補助金申請書全体の流れも確認しましょう。細部ばかり気を取られると、非常に読みづらいものになっていたり、同じ内容を違う場所に何度も書いてしまうこともあります。
5)書き終えたら「創業補助金申請用事業計画チェックリスト」に基づきチェックし、不足部分は書き足します。
6)オリジナルの事業計画書のうち、売上、原価および販売管理費の詳細等は、補足資料として添付することをお奨めします。他にも、商品やサービスの説明を補完する資料、画像などがあれば、補足資料として添付しましょう。